2009年5月31日 (日)

ベテランたちのGPシリーズ・・・か?

 '09-'10グランプリシリーズのアサインが出た。

 男子 女子 ペア アイスダンス

 

 我らがエヴァン・ライサチェクと村主章枝は共に中国・アメリカ大会にエントリー。ライサ氏、強敵になりそうなのは将軍とベルネルくらいで、こちらはわりとあっさりファイナル進出決まりそうです。

 村主姉さんはっちゅーと、もしかして最後のグランプリシリーズ? でもこれで6大会コンプリートですよ。スケートアメリカだけは出たことがなかったんよね。

 しかしそのスケートアメリカにはヨナ・キムとサーシャ・コーエンの2人がどーんと待ちかまえ・・・あわわ。これはいけませんねー ファイナル進出がどうとかいう以前に、この2人がいるとなるとせっかくの姉さんの舞台にあのシューゾーがしゃしゃり出てくる危険性が・・・あわわ。

 コーエンはコーエンで、フランス大会とアメリカ大会でヨナ・キムとがっぷり四つ状態となかなか難儀そうです。特にフランスは浅田真央も来ちゃうし。復帰して早々に快刀乱麻の大活躍・・・とは簡単にはいかないか。

 もちろん勝っても勝たなくてもコーエンは美しいですが、4年間ずっと現役でがんばってきた村主姉さんのプライドだって負けちゃおりませんで。ベテランの存在感でぶいぶいいわしてほしいものです。

 そしてベテランといえばロシア大会にエフゲニー・プルシェンコ。とうとうあの超絶鷲っ鼻が帰ってきますか。一時期は本田武史兄さんばりにぷくぷくしてましたけど、今は一体どうなってるんでしょう。 対戦相手がパトリックちゃん・ジョニー・バンビ小塚と、ずいぶん強敵ぞろいになりますけど、それ以上にクチピーと一緒ってのがまたいろんな意味でキケンなにおいがプンプンします。

 加えてなんのアナウンスもないんですけど、なんか申雪姉さんと趙宏博兄さんもそろっとエントリーしてんですけど。イヤーーーーーーーッ(歓喜)  これはもしかしたら、フタを開けてみたら伝説のスケーター勢揃いだったりする可能性が!?

 

 そこで:現在空きの枠にそれらしい顔ぶれを無理やり当てはめてみる

  • ロシア男子  → ヤグディン
  • 日本男子   → タケシ兄さん
  • カナダ男子  → サンデュ氏
  • フランス女子 → ボナリー
  • 中国女子   → ルー・チェン
  • 日本女子   → みどりさま
  • アメリカ女子 → クリスティ・ヤマグチ or クワン?
  • ロシアペア  → トトミアニナ&マリニン
  • フランスダンス → アニシナ&ペーゼラ
  • ロシアダンス → ナフカ&コストマロフ 
  • ファイナル特別招待 → ヴィットさま&ロロさま

 うーわー面白い(笑)

 なんかいまの現役の顔ぶれに比べると、えらくフリーダムな人々ばっかな気がするんですが、気のせい?? すっごいやりたい放題な競技会になりそな予感。 カオスです。

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2009年5月23日 (土)

そして始まる有香ちゃんの時代。

 アリッサ・シズニーのジャンプコーチも努めている佐藤有香女史。我らがバンビ小塚のほかにも、実はドイツのアネッテ・ディトルトの振付けも担当しているそうで、プロスケーターと解説業以外でも、なかなかに忙しくしてオラレル模様。

 そしてここへきて、ジェレミー・アボットが有香ちゃんに師事するとの由。

 たいていスケート界には、その時々で勢いのあるコーチなり振付師なりがいるものですが、これはきっと来シーズンは有香ちゃんフィーバーがやって来るというサインに違いないと、今から期待してみるわたくしであります。

 というわけでジェレミーよ、有香ちゃんが輝けるかどうかはキミのがんばりにかかっているぞ。がんばれ!

 (期待のしどころが間違っています)

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"鳥かご"から"巣"へ。

 時間がない! まだ世界選手権のペアとアイスダンスはろくに見てすらいない栗ご飯です。まったくこんなことでは見る余裕が出来るころには次のシーズンが始まってまうわ。

 まあ、オフシーズンの楽しみが増えると思えば、ね。発想の転換です、ってことで。

 そんなわけですから今日は、久しぶりのCD感想文いってみたいと思います。つっても最近は音楽も新しいのが聴けていないので(泣)、去年の9月に発売になったやつです。はやく時代に追いつきたいものだわ。

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『Sweet Nest』/コトリンゴ

Sweet Nest Music Sweet Nest

アーティスト:コトリンゴ
販売元:commmons
発売日:2008/09/10
Amazon.co.jpで詳細を確認する

  1. me & my bird prince
  2. closet
  3. おいでよ
  4. me.ga.ne
  5. classroom
  6. summer
  7. 帰り道
  8. デイジー
  9. だいすきなひと
  10. きみはジーニアス
  11. ふれたら
  12. to stanford

 赤色は、おすすめの楽曲です。

 

 まず彼女のプロフィールをおさらい。

  • 1978年生まれ。
  • 神戸の音楽大学卒業後、ボストンのバークリー音楽大学に進学。
  • 卒業後は、しばらくニューヨークで武者修行。
  • 2006年3月に、坂本龍一の『RADIO SAKAMOTO』で自作曲がオンエアされ、それがきっかけで同年11月に「こんにちは またあした」でメジャーデビュー。
  • ちなみに、アーティスト名は自分のペットと好物から。

 坂本龍一に見出されたとあって、なるほど教授の元奥さん・矢野顕子にも通ずる奔放さ。矢野顕子をもっとメルヘンちっくにした感じです。

 2007年6月の1stアルバム、2008年1月のミニアルバムを経て、今回が2ndアルバム。今回から坂本龍一のプロデュースを離れて、完全セルフプロデュースに移行しました。

 いやぁ、イイです! (ってなにこの直情的な感想は)

 構成上はAメロ→Bメロ→サビという基本をいつになくしっかり踏襲していて、制約は多くなっているはずなんですけど、曲想が今まで以上に自由。というか、これまではホントに「即興で作って、そのまんま録って出し」という感じで、ムダが多かったりダレてしまう部分があったところに、しっかり刈り込みが行き届いていて、整理整頓されてすっきり。

 なおかつ曲がシンプルになったおかげて、改めて彼女のピアノテクが浮き彫りになって一石二鳥。そしてドラムはじめ、生演奏を積極的に取り入れたおかげで、曲が土台からしっかりした印象になりましたね。1stアルバムの曲たちは、まるでちっちゃい子が思うままにブロックを積み上げていったようなあやうさと無邪気さがあって、それはそれでいい魅力でしたが、今回の曲たちは強いよー。可愛らしくマスキュラ(muscular)。プリティマッチョ。

 曲調もまた、懐が広い。ジャズからの影響をダイレクトに反映した「me & my bird prince」「classroom」、性急なドラムで疾走感を演出「closet」「おいでよ」、打ち込みを多用したキラキラなサウンド「me.ga.ne」「ふれたら」etc... おおはた雄一氏とクラムボンのミト氏が参加した「デイジー」「ふれたら」もすんなりアルバムに溶け込んで◎。

 中盤、6・7曲目あたりが少し間延び気味かなーという気がしないでもないですが、全体的にはやはり、時間を掛けて己の音楽と向き合ってきた人ならではというか、若いアーティストとは明らかに性質の違う魅力であふれていて、とても満足。それでもなおかつ、今後も大化けしそうな将来性も秘めていて、興味は尽きません。

 おすすめです、コトリンゴ。

 

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P.S. お手にとられます際には、ぜひ歌詞にもご期待くださいな。詳細はゼヒ実際にお聴きになって!

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2009年4月26日 (日)

世界選手権・女子

 あいだに国別対抗戦の感想が挟まってますが、世界選手権再開しますよぉ。

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世界選手権(ロサンゼルス)

女子

結果はこちら

 

・キャンディス・ディディエ(フランス) 122.08(22位)

SP:「Blues for Klook」(未放送) FS:「トッカータとフーガ・二短調/My Memory」

 3回目の出場。04/05シーズン以来久しぶりのフリー進出を決めた記念すべき大会でとんでもない災難でした。3F、3Lz+2Tときて3つ目のジャンプ、3Tで着氷体勢に入るタイミングが遅れて、フリーレッグのトウを氷に引っ掛けてしまい、バランスを崩して転倒、フェンスに叩き付けられる格好で、わき腹と肩を強打。演技を一時中断する事態に。なまじ回転自体は足りてただけに痛し。

 何とか氷の上に戻ってきて演技を再開するも、この時点で転倒と中断でディダクションが-3.00。このあと、2A+2A+SEQを2回やってしまって2Aの回数制限(3回まで)に引っかかり、2回目の点数が無効に。さらに最初に失敗した3Tにもう一度挑んだため、4つ目のコンビネーションジャンプ/シークエンス、と判断されて点数が無効になったうえに、転倒してさらにディダクション-1.00。結果的に、ジャンプで大幅に点数をロスしたことになってしまいました。が、スピン、ステップで割と落ち着いてレベルを取りにいけたので、思ったほど酷い点数にはならなかったのが救いでしょうかね。

 かなりかぼそーーい選手ですが、根性見せたるねんという姿勢は胸に迫るものがありました。ロスのお客さんたちも立ち上がって称賛。これだけ満身創痍の状況で、それでもジャンプの回転不足がひとつもなかったのは立派りっぱ。

 

・トゥバ・カラデミル(トルコ) 124.31(20位)

SP:「オーシャンズ13」(未放送) FS:「ラタトゥイユ」

 私の念が届いたのか(笑)めでたく3シーズンぶりにこちらもフリー進出を決めたカラデミル。フリーの「ラタトゥイユ」ってなによ、と思ったら『レミーのおいしいレストラン』のサウンドトラックだとか。はー、道理で食いもん。

 彼女はこれまで3Fをプログラムに入れてきましたが、エッジがアウトに傾く癖があって、加点をもらえないことを考慮したのか、ショートプログラムでは3Lzに変更して望みました。だからといってどの選手も、「フリップがアウトになる=ルッツが跳べる」というほど単純ではないようで。カラデミルにとっても、フリップはエッジが危ない、かといってルッツの跳び方ではいまいちフィーリングが合わないといった様子で、いろいろとジレンマがある模様。事あるごとに構成を入れ替えて挑戦しているようですが、あんまりしっくり来てないみたいですね。

 プログラム自体は、カラデミルのユニークでコケティッシュな雰囲気が引き立っていて、「さすがブラウニング先生」という感じなんですが、何気に後半のジャンプがほとんど回転不足だったりして、演じきるにはもう少しカラデミル本人のスタミナが必要かも。前半のメチャ速いステップシークエンスでほとんど体力使い切ってるんじゃないか?

 

・エレーナ・グレボワ(エストニア) 140.02(16位)

SP:「我が母の教えたもう歌」 FS:「ピアノ協奏曲イ短調」

 我が家ではもはや「由美かおる2世」扱いされているグレボワ。かおるさんかおるさんて馴れ馴れしく呼ばれてます。

 FSは「彼女の日」ではなかった。代わりに、SPは語り継ぎたい美しさ。まず最初の3T+3Tでしっかり加点1.00。かおるさん攻めてます。今日はとにかくスピンが好調。いつもと違ってほとんどトラベリングもなく、軸の安定感と回転速度を維持したいいスピンでした。FSSpのスムースなポジション変化は特に素晴らしい。なのにGOEはゼロ。なんで?

 FSでは、解説の千香ちゃんが衣装を変えたのではないか? といってましたが、たぶんこれは変えたんじゃなくて、プログラムごと昨シーズンのものに戻してますね。2回のセカンドトリプルを自重して1回のみに抑えているとはいえ、7つのジャンプのうち、コンビネーション3回を含めた5つのジャンプが後半に置かれているという、ヒジョーに挑戦的な内容でした。が、全体に歯車が噛みあわず。かおるさん頑張って。

 

・イワナ・レイトマイェロワ(スロバキア) 147.41(14位)

SP:「ユノーナ&アヴォシ」 FS:「Nostalgia」

 わりと調子の良かったヨーロッパ選手権からそのままのコンディションを保てたのか、SPとFS、両方でいい流れに乗った演技が出来たのでは。特に難しいことをやっているわけではないのに、間がきちんと計算されているのか、走って跳んでというイメージを受けませんでした。楽曲と呼応したプログラム作りが心がけられていて好感。

 ただ、そのいい流れが、少しだけ間延びしてしまう所もありましたね。フライングスピンのバリエーションが苦手なのか、FCSpのエントランスではバタフライなどの難しい技をいれずに普通のエントランスにして、その代わりに「ノーマル8周→チェンジエッジ→ハーフビールマン→ドーナツ」でレベル4を狙う構成になっていました。しかしあまり回転の速いスピンではないので、これだけ回転数が多いと流れが間延びする原因になってしまう・・・ので、バタフライを習得するなり、チェンジエッジしながら同時に難しい姿勢をとるなり、何かしら回転数をすっきりさせる工夫がほしいかも。

 ルッツ・フリップ・ループの3つのジャンプの習得も急がれますが、若い選手なんだし、これからいろいろな技を見せてほしいですね。

 

 

コストナーは見事に自爆、ポイキオ姉さんも少しばかり痛々しい出来で、なんともコメントをはばかられるので省略。来年思う存分ハッスルしてくださいまし。

 

 

・アリッサ・シズニー(アメリカ) 159.78(11位) 

SP:「白鳥」 FS:「ドクトル・ジバゴ」

 SPはもうこれが標準 シズニーに転倒2回は必須ですと言わんばかりで、もはや別の意味で安定してます。かといって、これだけ転びまくっても特に深刻な故障につながったという話を聞かない、何気に丈夫なシズニー。

 それにこれだけジャンプを失敗しておいて50点台半ばを維持しているのもシズニーのなせるわざ。失敗した2つのジャンプをクリーンに決めていたとしたら、GOEゼロと仮定しても技術点は37.30。5コンポーネンツと合わせると62.58で6位までハネ上がる。でもこんな皮算用がさっぱりアテにならん所もまたシズニー。

 FSのほうは、3Loの回転不足と3Tのダブりだけにミスを抑えて、フリーだけなら8位。コンビネーションジャンプが不発に終わっても、すぐさま別のジャンプに付けて取り返してしまう。シズニーにも確実に逆転ファイターの素質が芽生えつつあります。ステキ。

 観客席はというと、完全に得点は2の次モード。とにかくシズニーLOVEな空気を全身で主張しまくっていて、これまたむっちゃくちゃシンパシーを覚えますね。

 

・エレーネ・ゲデヴァニシヴィリ(グルジア) 162.48(10位)

SP:「キャバレー」 FS:「ラテンメドレー」

 この人ならではの粗さはありつつも、上手くまとめたなと。月並みだけど、やっぱりコーチを替えて気分が一新されたのがプラスに働いたのかなと。体のキレとジャンプの正確さがないと一気に色褪せてしまうプログラムなだけに、このところ痛々しい演技が続いていましたが、シーズン中にいいものが見せられたのは良いことです。

 FSでは、SPで見せられなかった3T+3Tを決めると、一気に波に乗って最後まで完走。サルコウジャンプの調子がいまひとつ良くなかった以外は、かなり高い水準でまとめましたね。トリノオリンピックあたりの、ハツラツとした中にも少しミステリアスな雰囲気があった頃に比べると、もう完全にノーテンキなねーちゃん化してるのがちょっと寂しい(笑) でも本人の性格からすると、こういうプログラムのほうがフィーリングがよさそう。それぞれにそれぞれの魅力ですね。

 そして、フリーの得点が100点を超えたのは、意外や今回が初めてなんだとか。

 

・サラ・マイアー(スイス) 163.37(9位)

SP:「Samba/Brazilliance」 FS:「黒のラフォリア/秋の紅」

 去年一年間滑っていたFSのプログラムに比べると、SPのほうではどうしても滑り込みの足りない部分があったかなと。腰の故障を考えると、どうしたって仕方ないことではあるんだけど。

 今までのイメージとずいぶん違う路線なだけに、どこかノリ切れてないぎこちなさが残ってしまっていて残念です。もし今年1年滑り通していたら、どんなサンバに仕上がったんだろう。

 FSは去年の青い衣装から一転して、焦げ茶と白のものすごいコントラストで登場。渋いわぁ。もちもちの木に火が灯りそうな配色。 3Sのスッポ抜けと、SpSqとFSSpの取りこぼしを除けば、ケガを抱えた状況下で、最善を尽くしたプログラムだったんじゃないかと。同じプログラムでも、去年のバージョンと比べると、終盤のSlStの時間がずいぶん長くなっていて、今シーズンいかにステップが重要視されているかを実感。

 無事に滑り終えたあとは、感極まって涙。今年は上位以外の選手に「根性見せたんねん」的なスピリッツが満ち満ちていて面白い。

 

・村主章枝(日本) 164.58(8位)

SP:「Fanfan」 FS:「秋によせて」

 「もっとやれた筈なのに」とガックリしていたら、まさかの肋骨骨折のハプニングとはつゆ知らず。ここにもいましたかファイターが。

 SPでは、今まで右足でまわっていたLSpを、左足に戻していたことに注目。右足でまわってもほとんどレベル2止まりだったので、GOEのことも考えると結局普通にまわるのが一番点が稼げる、という判断なのかな。ただし今回はレベル1止まり。サイドウェイズが回転不足だったか、キャッチフットのポジションが認定されるには不十分だったってことかな、と考えてみる。FSSpは相変わらず高い跳躍でホレボレ。

 四大陸からちょこちょこ変えてきた部分が、あまり得点につながってくれなかった印象を受けました。解説の千香ちゃんも相手が身内なだけに微妙にダメ出しモードに。というかどうコメントしたものか戸惑ってる様子。

 FS。昨日に比べるとジャンプに高さも幅も出ていてキレイ。ただ懸念していた2回目の3Fがやっぱりコンビネーションにならなかったのが厳しい。調子のいい1回目のフリップにコンビネーションを付けるほうがいいんじゃないかとずーっと思ってるんですが。来年は構成を変えるなり、きちんと跳べるように筋力強化するなり、いろいろ考えてくるんじゃないかと思うので、まあ静観してみようと思います。

 とりあえず今年の世界選手権は、姉さんらしい伸びのあるスケーティングがまた十分堪能できたことが一番うれしかったかなーー、と。姉さんはいつも「スケート技術」の点数がわりと高めに出て、その代わり「つなぎのムーブメント」の点数が他の選手に比べて割合低く留まることが多いですが、私は姉さんのあのスケーティングのテンポ感がとても好きなので、出来れば無理にステップを挟み込むようなことはせずに、今のままのスタイルを貫いてほしいと思います。たとえ得点に反映されなくてもね。

 

・アレーナ・レオノワ(ロシア) 168.91(7位)

SP:「Al Andaluz」 FS:「La Leyenda del Beso」

 2Aはスパイラルからターンを挟んで。苦手のSpSqはフロントフットのポジションをメインに据えて、硬さを目立たせない工夫でクリア。なかなかよく計算されたプログラムです。ジャンプ以外のエレメンツは全部レベル3なところはさすがにまだジュニア上がりといった感じでちとアレですが。

 FSはジャンプ3つ終わったあたりで、またしてもあのがばーーーーっていう笑顔。もしかしてアレ振付けの一部かなんかですか。SpSqの構成がSPと全然違っていて面白い。前向きでハーフビールマン→チェンジエッジしてアラベスク型→後ろ向いてまたキャッチフットの順番で、SPの時よりも体の硬さが強調される構成になっちゃいますね。 アラベスクのポジションはみどり様とタメ張れる低さ。GOEもゼロでした。今後の課題ですね。

 演技自体は3Lzがツーフットだった以外はノーミス。いつも以上に演技に勢いがあって、ヨーロッパ選手権の時の爽快さに加えて迫力が増してました。ロシア女子の原動力は、やっぱりショートカット。

 

・ラウラ・レピスト(フィンランド) 170.07(6位)

SP:「幻想の海」 FS:「Don Juan DeMarco」

 SPは、滑り自体にいつもの伸びが足りなかったかもしれませんねー。普段なら考えられないようなところでバランスを崩したりして、足元をコントロールできていなかったように感じました。たまたまトップ選手の集団の直後の順番、しかも相当な熱狂を引き起こした演技のあとに出て行かなければならなかったわけで、もともとそんなにメンタルが強い選手でもないだけに、本人的にも相当やりにくかったんじゃないかと。

 そして何の因果かFSは最終グループ最終滑走、しかも前半の4人が人外魔境かと思うような点数を叩き出し、観客も熱狂し疲れてはや燃えカス状態、おまけに直前のコストナーは見事に撃沈。この状況で100%やれゆわれてもごめんアタシ無理、と、普通の人なら思うはずですよ。

 3T+3Tは2T+2Tに、3Loは転倒。課題の3Lzがあやういながらも決まっただけにちょっともったいなかったな。後半はよく盛り返しましたよ。これぞアスリートって感じで。ただトップ選手のグループに技術面でもメンタル面でも追いつくには、3T+3Tをもっと安定させる必要があると思います。

 でも樋口地蔵尊も説いてオラレルとおり、プログラム構成の妙というか、きちんと点の出るプログラムだなと思います。ヨーロッパ選手権に続いて58点台をキープできたのは収穫だったんじゃないかなと。でも地蔵尊も「地味なんだけど華のある選手」って、「地味なんだけど」って前置き、あんまり何度も言わんといてあげて。

 

・レイチェル・フラット(アメリカ) 172.41(5位)

SP:「ティファニーで朝食を」 FS:「ロマンティック・ラプソディ」

 SPでは3Fの着氷でバランスを崩してコンビネーションのはずが単独に。その後落ち着いて3Lzのあとに+2Tをプラス。彼女たち北米勢はこうしたとっさのミスの対処の仕方について、かなり訓練を受けてきているであろうことが、一番の強みでしょうね。冒頭の2つのジャンプ以外は、すべてのエレメンツでプラスのGOEを獲得、加えて5コンポーネンツも6.40~6.90をそろえて、初めて26点台をマーク。

 FSは去年のプログラムに戻して。解釈の難しい音楽を自分なりに分析して乗りこなせていたと思うんですが、スピンのミスで点を伸ばせなかったのが心残りですね。

 FSでは、1.単一姿勢 2.フライング 3.コンビネーション の3つのスピンが要求されます。普段フラットは、

  • FCSp → フライング
  • CCSp → 単一姿勢
  • CCoSp → コンビネーション

 という構成で組んでいます。ところが、何故か今回に限っては、真ん中のCCSpをCoSpに替えてきたため、

  • FCSp → フライング
  • CoSp → コンビネーション
  • CCoSp → 単一姿勢でない(要件外)

 という判定を受けてしまい、最後のスピンが無効になりました。

 CCSpのレベル4は3.2点、CoSpのレベル4は3.0点ということで、基礎点も下がるのに、どうしてこんな選択をしたのかという疑問が残るには残りますが、とにかく複雑きわまる新採点方式、選手やコーチの側でさえもルールを読み違えることがあるのは、我々ニッポン人は織田将軍の一件でよーーーーーく理解したはずですね 演技中に完璧な計算を求めるのは酷ってもんです。ええ。

 とまれ、全体的には3F+2Tの回転不足以外は目立ったミスなくフィニッシュして大喝采。正直エレメンツ自体はまだまだ練度に欠けるきらいは否めませんがね、そういう足りない部分を優雅なプレゼン能力でカバーできるのが◎

 

・浅田真央(日本) 188.09(4位)

SP:「月の光」 FS:「仮面舞踏会」

 とにかく3Lzの失敗のことばかりが取り沙汰されたSPでしたが、その他に目を向ければ、世間のがっくり具合ほど悪い演技ではなかった筈。翌日のFSに比べれば、まだよっぽどスピードを感じたし、何より今年初めて3F+3Loのコンビネーションが認定されるだけの勢いはあった。そしてLSpはレベル3に留まったとはいえGOEが+1.10、シズニーの次に高い評価もらってます。その勢いを3Lzにも持ち込むことが出来ればよかったんだけど。

 FSは、パワーダウンしましたね。2度めの3Aが回転不足で転倒、後半の3F+2Loにも回転不足がありました。「考えすぎている」という意見もありましたが、たしかに今シーズンの後半は、常に揺らいでいるような感じはありましたね。「矯正中・挑戦中の技なんだから、失敗して当たり前」と割り切って次にいければ理想的なんですが、その失敗が、あとの演技に影響を及ぼしてしまう部分が、最近はちょっと多かったかなと。特に今回のFSは、出てきた時からもう疲れてる? と思ってしまうような雰囲気で、演技中もかなり早い段階で疲労が来たように見えました。

 ただ、今シーズンは結果を求めつつも、根本的にはどれだけ苦手を克服できるか、どれだけ自分を追い込めるか、という実験精神がテーマになっていたと思うので、今回のような結果はある意味で想定の範囲内というか、それほど落胆するものでもないのではないかとも思います。4分間でどれだけ難易度の高いコンテンツを詰め込めるか、そして自分の体力で、どこまでプログラムを乗りこなせるかという実験。そしてこの実験はどういう結果が出ても成功とか失敗とかいうものではありません。大事なのはこの結果を踏まえて、来年どう対応していくかです。

 SPの3Lzは「実験」というよりはまあ「訓練」ですが、こちらのほうはもう解決策はひとつ提示されてます。国別対抗戦で成功させた3A+2T。もちろんオフシーズン中にルッツの矯正を完了させるのもいいですが、今年予想以上に手こずったのを見ると、オリンピックまで時間もないこの状況下では、得意なエレメンツをより磨いていく方向にシフトしたほうが確実でしょうね。マダム・タラソワも「来年は冒険しない」といってオラレルようですし。

 

・安藤美姫(日本) 190.38(3位)

SP:「The Chairman's Waltz」 FS:「交響曲第三番オルガン付」

 大会通してとにかく余裕が感じられましたが、特にSPのほうはそれが顕著でした。一番目に付いたのがSpSqの姿勢。今まで、とかくバランスを崩す原因になっていた2つ目のハーフビールマンのポジションを、これまでの上体をぐっと起こす姿勢から、ほぼ水平まで倒した姿勢に変えることによって、安定感を高めてます。スピンは今年、シーズン通してかなり安定してましたが、今回はさらによかったと思います。ただ、つなぎの滑りの評価がもうひとつ上がりきらないのも相変わらずで、3Fが高さと飛距離の割に点数を抑えられたのも、エントランスのコネクティングステップが少なかったのが原因かなと。

 そしてスタンディングオベーションのFS。こちらも勢いと安定感、両方取り合わせた演技で素晴らしかったと思います。中盤の4連続ジャンプの振付けが物足りないと解説陣に指摘されてました。まあ確かにそうですが。他が・・・特に後半部分の気迫が素晴らしかったので、あんまり気にならないですね。そしてこちらのほうでもスピンとスパイラルの安定感は健在でした。冒頭とラストのコンビネーションスピンはそれぞれ+0.80,+0.70のGOEを獲得。レベルも全部3~4で揃えてきてます。

 3Loの回転不足がなければ自己ベスト更新だけでなく、130点台乗せもいけたんちゃうかと思うと残念ですが、それはこれからリベンジすればいい話ということで、何はともあれ銅メダルおめでとう、おめでとう。

 

・ジョアニー・ロシェット(カナダ) 191.29(2位)

SP:「Summertime」 FS:「アランフエス協奏曲」

 とにかく安定感。その一言に尽きるな、と。それほどジャンプに高さは出ないものの、抜群の軸の正確さと流れの良さで、もりもり加点を引き出します。3Lz+2Tは、3Lzの着氷が乱れて加点取れませんでしたが、他は軒並みプラス1.00以上。スピン・ステップでも大半でレベル3~4、特にステップでは+0.90のGOEを稼ぎました。

 FSもご同様。ルッツとループにミスが出ましたが、他はきれいに。全てのスピン・ステップでレベル3以上を獲得し、今回もステップはGOE+0.80、スパイラルも+1.20で、ジャンプに負けず大きな得点源になってます。ジャンプミスのぶん、FSの自己ベストにはわずかに届かず、ですが、総合で初めての190点超えを果たして銀メダル。表彰台でしげしげとメダルを眺める写真を見て不肖栗ご飯、初めてロシェット姉さんを心底可愛らしいと思いました。いやさ今までは雄雄しいとか兄貴とか、そんなんばっかだったもんで。

 ひとつだけ、注文を付けるとしたら、スピンはまだまだ力でぶん回してる感じで、スピン好きとしてはそれじゃイカンよ、まだまだよと思ってます。GOEもSP/FS通して+0.30~0.40に留まっていて、さすがの姉さんも筋力だけで解決できない問題があったかと(笑)。

 それはともかく、銀メダルおめでとう、おめでとう

 

・ヨナ・キム(韓国) 207.71(1位)

SP:「死の舞踏」 FS:「シェヘラザード」

 3F+3Tは!マークがついたものの高く遠く、3Lzも完璧。SpSqは「足を高く上げるだけじゃないスパイラル」の代表格といえそう。個人的には、彼女のエレメンツの中で一番素晴らしいのは、実は2Aだと思いますね。2A+3T、イナバウアーから、助走なし、と非常にエントランスのバリエーションが豊富で、しかもその全てを流れの中でぽん、と跳んでしまうので、下手すると「あ、いま跳んだ?」と見過ごしてしまうほどに自然。単にオマエがうっかりしてるからじゃないかって? ほっといて

 なので、点数自体はさもありなんとは思いますが、個人的には四大陸ほどのインパクトは感じられなかったかなぁ。ヨナ・キムの演技といえば、エモーショナルな動きで魅せつつも常にクールに抑制された部分を持ち合わせているのが大きな特徴であり、魅力でもあったと思うんですね。それが四大陸のSPの時にはまるで真逆をいく演技で、「あのヨナ・キムがここまで感情をむき出しにして滑るなんて!」という新鮮な驚きがあった。けれども今回の世界選手権では、その激しさが再び覆い隠されてしまった。クールであることも、また別の魅力のひとつといわれればそれまでですが、やはりこの「死の舞踏」には、つんのめりそうな荒々しさがよく似合います。

 そういう意味では、FSの「シェヘラザード」は、”抑制された演技”がより映えるプログラムではありましたね。過去の「シェヘラザード」たちと比べるとちょっとかすむなぁという思いは最後まで払拭し切れませんでしたが、それでもようやく初見(スケートアメリカ)のインパクトを超える、完成された演技が見られたなと思いました。

 や、まあ、スポーツの側面から見ると、厳密には「完成」ではないですが。3Sのパンクと、ラストのスピンが無効になったことで、最後の最後でミソがつきましたね。サルコウはこれまでの演技を見る限りでも、大得意というわけではなさそう。ある程度、予想され得た失敗ではあったかもしれませんねー。

 スピンの失敗については、そのパンクしたサルコウの直後のCoSp、これをフライングスピンにしなかったのが主な原因ですね。レイチェル・フラットの失敗と同じような理由ですが、キムの場合は、これまでの試合では、

  • FSSp → 単一姿勢
  • FCoSp → フライング
  • CCoSp → コンビネーション

 という判定を受けるようにプログラムを組んでいたのですが、今回はFCoSpを何故か、普通のCoSpにしてしまって、その結果、

  • FSSp → 単一姿勢
  • CoSp → コンビネーション
  • CCoSp → フライングでない(要件外)

 こういう具合で、最後のスピンが点数外になってしまったわけですね。

 何で今回に限ってこういう構成にしたのか。最初のうちは、サルコウを失敗して曲から遅れたのであわててしまい、跳び上がらずにそのままスピンに入ってしまったのかなー、と推測していたのですが、このあいだ発売された『ワールド・フィギュアスケート』を読むと、どうもそうではなくて、最初からフライングせずに、普通のコンビネーションにするつもりだったらしい。そしたら最後のスピンが無効になったのでびっくりした的な事を言ってました。

 って、これじゃ誰も将軍のこと悪く言えたもんじゃないよ(笑) みんなうっかりミスしてんじゃないよ やっぱり新採点方式は複z・・・・・・・(以下略)

 とにかく(笑)

 オリンピックの前に、絶対に世界選手権を制覇しておきたいという目標を実際に達成したことは、四の五の言わずに賞賛したいと思います。金メダルおめでとう、おめでとう

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 というわけで女子の感想、これにて完了です。全体を見渡すと、最上位は予想通りの顔ぶれ(順位については各々思うところあるとは思いますが)、5~10位には新顔とベテランとが並びましたね。

 2ケタ前半にはあと一歩だった人と無念すぎる人が。ほんとにコストナーにはどんな言葉を掛けたらいいかわかりません。でも4月のミラノのガラには元気に出ていたようなので、うまく来年に向けてリスタートしていることを祈りましょう。

 あと個人的には下位選手のファイティングスピリッツが実は今回の一番の見どころだったんじゃないかと思います。みんな素晴らしかったですねー(←樋口地蔵尊の口癖が乗り移り気味です)。選手の皆さん、お疲れ様でした。

 ってことで、おしまい。

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2009年4月21日 (火)

国別対抗戦の感想(やっつけ)

 国別対抗戦、思ったとおりけっこうな数の選手が完全にオフモードで登場しましたが、わりと楽しめましたね! オリンピックの新種目にというISUの思惑からはちとハズレた盛り上がり方でしたが、正直こんなもんでいいと思います。

 日本は全体では3位でしたが、選手個別に見れば、この大会は浅田真央による浅田真央のための大会だったんじゃないでしょうかね。ヨナ・キムとの対決がどうとか、余計なノイズの介在しない状況に持ち込んでしまえば、ほんとに手の付けようのない野生動物みたいになりますねこの子は(ほめてるんですよ?)。ルッツとかサルコウとか、長い目で見れば苦手を潰していくことも大切ですが、オリンピックまで時間もないわけですから、こうして得意な技をさらに伸ばしていくほうが効率的でいいと思います。あとはこの爆発力がホーム以外でも発揮できるかどうかですね。

 そしてみごと1位に輝いた、アメリカ勢のキス&クライでのだめっぷりも、もちろん素晴らしかったです。icenetwork.comのギャラリーに詳しくのってますが、こちらの写真(左から6番め)ではスケート界一の美女ベルビン嬢が、いよいよだめなひとになってます。すばらしいです。

 とはいえ、それぞれの種目でそれぞれの選手ががんばっていたわけですから、今大会のMVPは?? と訊かれると、なかなか答えづらいですが、あえて決めるとしたら、4日間通してすべての演技を見守った豆しばかぶちゃんに贈りたいということで、けっこう皆さん意見が一致するんじゃないかと思います。ノーミスで誇らしげにフィニッシュするジュベールをつぶらな瞳で見つめる豆しば。4回転を失敗して、派手に転倒するミキティとがっくりモードの観客を、得体の知れない微笑とともに見守るかぶちゃん。いかなトップスケーターも太刀打ちできない存在感を発揮してくれました。見事栄冠です。おめでとう(何が)

 いつもどおりスバラシイ番組構成でワレワレをがっかりさせてくれたテレビ朝日には、「ちっちゃいころママに『ひとがいやがることしちゃダメよ』って言われたで賞」とか贈りたいところなんですが、贈ったところでなにか改善が見られるだろうかと考えると、ただの郵送代のムダな気がしてきました。どうしたものか。

 いずれにせよ、ファンや関係者のあいだでは是非が問われた大会ではありますが、選手たちはそれなりに楽しんでいたようで、何よりです。次の開催は2年後(また日本。いいのか?)だそうですが、その時はどんなことになるんでしょうか。個人的にはすべてのチームのキス&クライがおばかさんの巣窟になっているといいと思います。

 ああそうそう、バンクーバー五輪の必勝祈願に将軍が本能寺まいりをするそうですが、悪いこと言わんからやめときなさい、焼け落ちるから

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2009年4月14日 (火)

世界選手権・男子

 新学期ですね。

 前回の日記で一ヶ月は空けないつもり、とか書いたのに、あと10日足らずで1ヵ月経っちゃう(汗) ってゆーかモタモタしてるうちに国別対抗戦始まっちゃうよ。 もーどうしよ。

 そんなわけで、われら観察隊は最近ほぼ月記状態です。これでブログって呼んでいいのかどうか、書いている自分でもよくわかりませんが、とにかくマイペースにやる以外に取り柄はありませんので、読んでくださる方にも、時々思い出したようにフラッと覗くぐらいのスタンスでお付き合い頂けたらなと思っております。まあ普通はそれだけ間が空けば、忘れられたものと見なされるのかもしれませんけど(汗)

 ともあれ、新しい年度、皆様フレッシュに参りましょう。

 では、いつものように上位陣+注目選手を中心に。テレビ観戦中にメモった文をそのまんま載っけてる部分もあります。ちょっと単語ブツ切り会話みたいになってるかも。

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 世界フィギュアスケート選手権(ロサンゼルス)

 男子

 結果はこちら

 

ハビエル・フェルナンデス(スペイン) 183.55(19位)

SP:「Entre Dos Aguas」(未放送) FS:「マトリックス」

 前回の欧州選手権では、演技以上に「靴ひもがほどけた濃い目の男」として、管理人の脳裏に刷り込まれてしまったちょっと気の毒な青年。スペイン人として初めて3Aを跳んだエポックメイキングな選手なのに、ひどい扱いですな。(って自分で言っても説得力ないけど)

 初進出のフリーがいきなり先頭滑走で緊張していたとは思うけれど、いい演技でした。力任せなようでいて、その実ジャンプは完全に技術だけで跳んでるみたい。後半、つなぎのすべりで大分バテてきたように見えても、ジャンプはしっかりコントロールされてました。スピンやステップではスタミナ切れがダイレクトに響いたのか、レベル・GOE共に伸ばしきれず。ちょっと苦しいか。でもこれからですよこれから。

 男くさい部分と一緒に、スペインらしい洗練された舞踏センスも感じられる・・・ので、パワー路線でも王子路線でもない、独自の方向に突き進んでいきそうで、今後どんな選択をするのか楽しみですね。モロゾフ氏にはじっくり育ててほしい。

 

アドリアン・シュルタイス(スウェーデン) 186.43(18位)

SP:「Detective」 FS:「Hypnotic/Peuton/Peer Gynt」

 SPは、3Aのステップアウト以外はいつもどおりの演技。すべてのスピンでGOE+0.3~0.5と、男子としてはなかなかコンスタントに点が取れたのでは。手術後の不調からはだいぶ脱してきた模様。キス&クライで妙にケミカルな色彩のドリンクを飲んでたのが、栄養よりは燃料っぽくてナマナマしい。エンスト気味のベルントソン氏にわけてあげて。

 一転、FSはまだ体力面に不安があったのか、全体に安全運転気味。調子の上がりきらないところに、ラストでステップとジャンプを4つ立て続けにこなすプログラムはちと負担が大きかったか。特にラスト前の3S+2Tはほとんど浮いてるのかも微妙なラインで、、これでよく回転不足にならなかったなと思ってしまう。それでもジャンプ以外は特に問題なくまとめてフィニッシュ。お得意の変形イーグルも見ものだが、中盤のFSSpでは更に大胆なブロークンポジションを披露してキョーアクな感じ。クチピー伝説に新たな技が加わりましたな。

 それにしてもスウェーデンの一枠減退か・・・来年はどっちが来るんだろう。いやむしろ盲点をついてマヨロフ少年が・・・・・・・・・!?

 

ジェレミー・テン(カナダ) 193.16(17位)

SP:「Leyenda」(未放送) FS:「August Rush」

 解説陣はしきりにサンデュ先輩との類似を指摘。個人的には振付師がデビッド・ウィルソンなせいか、ジェフ先輩の動きにもかなり似ていると思う。

 見た目かぼそーーい割に、特にスタミナ切れするでもなく4分半滑りきれるあたりは、カナダ男子3番手の矜持かな。でもシーズン初めは別にそれほどでもなかったことを考えると、バンクーバーマネーの投資が今年にはいって急に効いてきたってことかしら。筋肉系女子を量産するだけじゃないぞ、と(失礼)

 相変わらず豊富なバリエーションを丁寧にこなすスピンが好印象。GOEは+0.0~0.4とあまり高くはないが、点数に表しきれない潔癖な魅力がアリ。

 

ヤニック・ポンセロ(フランス) 193.84(16位)

SP:「ICE 5」 FS:「Caravan/Summertime/Porgy and Bess/SingSingSing」

 ルール改正のおかげでキャメルの単一姿勢に挑戦する選手が増えましたかね。でも彼はそれ以前からキャメルスピンに取り組んできた、いってみれば元祖のひとり。軸の安定感・回転速度など、堂に入ったものを感じますな。

 ただジャンプの失敗ムードにスピンもいまいち色褪せ気味。「3回転より4回転のほうが質も確率もいい」なんていわれてますが、当然4回転より3回転のほうが数が多いわけで。点が伸びないのもしかり。でも去年までのポンセロはこんなもんだったとも思うような・・・。あ、でも演技とは関係ないところで、疑問がひとつ。

 なんでFS中盤の足換えキャメルスピンを、今回に限って足換えなしにしたのか?

 考えられるのは「NHK杯と欧州選手権でレベルが取れなかったから」が一番ありえそうなんだけども、それ以前の試合ではちゃんとレベル4取ってるのに、わざわざ基礎点を下げるような変更をする必要があったんかしらね。

 

無良崇人(日本) 194.97(15位)

SP:「The feeling begins」 FS:「古事記」

 SPは3Aで着氷乱れ。でも差し引きでおつりがくる高さで+1.00。3Fはエッジに不安があるのか3Loに。でも3Lzみたいな不思議なエントランスで跳んでた。スピンは全日本からがっつり練習してきたみたいっすね。しっかり軸がコントロールされたいいスピン。その他でも非常に伸びやかに身体を使えていたのが印象的。

 FSの冒頭では、解説の樋口地蔵尊から「彼は強いから」と信頼のお言葉。ありがたや。衣装いいですね。あのくいだおれ太郎・豪華版(?)みたいなやつじゃなくなってる。総合的にはいい出来だったけど、点数化してみるとeマーク、転倒、回転不足アリで、意外にマイナスが厳しかった。特に最初の3A+3Tで稼いだGOE+1.40を、3Fのエッジエラーで帳消しにしたのが痛し。彼の責任だけではないけど。

 それでも全日本から確実に成長した姿が見られたのは一番うれしいことですよね。

 きっとあのオールバックは大リーグボール養成ギプスみたいなものだったんだわ。そんで外したとたんぐわーーっっと。(スーパーサイヤ人か)

 

ジェレミー・アボット(アメリカ) 204.67(11位)

SP:「アダージョ」 FS:「Eight Seasons」

 SPではジャンプの不調に、演技が終わったとたん渋い顔。それでもステップの最中に解説の田村氏がぽろっともらした「ここだけ見てると、前半でジャンプを失敗したとは思えない」という言葉通り、演技の成果は5コンポーネンツにしっかり表れているのでは。

 とにかくプログラムの随所にいろいろと細かな配慮が詰まっているんですね。FSでも、1回めの3Aをショートサイド、2回目をロングサイドに向かって跳んだりして、目立たないところに小技が利いてるんだけど、今日のようにジャンプが決まらないと、どうしてもそのいい部分が引き立たない。 ピークがGPファイナルから全米のあたり、少し早すぎる段階で来てしまって、その後のコンディショニングをどう調整するか、トップ選手としての経験が少ない彼には慣れなくて、うまくいかなかった部分も多かったんじゃないかと。

 ところで面白いなと思ったのが振付けなんですけど、今シーズンのアボットの振付けはトム・ディクソンとカタリナ・リンデンということで、まあ例年通りです。SPなんかはディクソンっぽい振付けド真ん中なんですけど、FSの「Eight Seasons」はなんだかディクソンとデビッド・ウィルソンと、ニコライ・モロゾフの3人の手クセが混ざり合ったような、ちょっといままでと違う感じだなーーー、と。気のせいといわれればそうかも、と納得してしまう程度の話ではあるんですけどもね。

・ディクソン=肩から上の空間を効果的に使います

・ウィルソン=胸から腰くらいまでの高さの空間を効果的に使います

・モロゾフ=顔のまわりを効果的に使います(笑)

 

ブランドン・ムロズ(アメリカ) 207.19(9位)

SP:「Till Eulenspiegel」 FS:「トッカータとフーガ ニ短調」

 3Aをイーグルから跳ぶような小技の利かせかたは、さすがコロラド組というか。先輩アボットの轍を正しく踏んでいるようで。シーズン始めはまだ海とも山ともつかない印象しかなかったのが、今回のSPではすっかり小粋な少年(?)になっていて、ヒジョーに楽しみになってまいりました。

 一転して、FSは初出場らしい緊張に包まれた演技。最後までスタミナが保たずに、ちょっと荒っぽい仕上がりだったかなと。それでもジャッジの評価は高かったらしく、あるジャッジは「演技力」と「曲の解釈」の項目でそれぞれ8.00を出していた。この評価は定着すれば、大きな武器になるはず。とまれ、初出場でここまでやってくれたら万々歳でしょう。

 

デニス・テン(カザフスタン) 211.43(8位)

SP:「Flamenco/Once Upon a Time in Mexico」 FS:「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第二番」

 四大陸で初めて見て、きっと将来いい選手になるんだろうなと思っていたら、わずか1ヵ月強でもういい選手になってしまいましたね。 初めてみた時はどこの石原軍団かと思いましたが、驚きのビールマンスピンも披露する柔軟性の持ち主ということで、侮れません。

 SPはジャンプとスピンのマイナスがなければ、もうちょっといけたかなーとは思うものの、キス&クライでのマダム・タラソワの態度ほどには不満は感じませんでした。3Loがマイナスになったのは、ステップからジャンプに入るまでに間が空きすぎたのが原因か? スピンはただ点数を取るためにこなすだけじゃなくて、時間を掛けてたっぷり回ってくれるのがニクイ。

 そしてFSのあの演技。SPの時以上にジャンプがブレずに美しい。たとえ解説の樋口地蔵尊がいつも以上に「素晴らしいですね」しか言ってなかったとしても(誇張アリ)、本当にそれしか言葉が思いつかないくらい、容易にはコメントを許さない演技でした。あえて言うなら、スピンが全部レベル3止まりだったことくらいか。

 

織田信成(日本) 218.16(7位)

SP:「仮面舞踏会」 FS:「ワルシャワ・コンチェルト」

 SPは3Lz+3Tでエッジをリンクサイドのカメラピットに引っ掛けて転倒。その後は何事もなかったかのように滑り終えましたが、大方のファンの皆様が、あの転倒にがっくり来ていたであろう一方で、我が家では去年の真央やんに続くベスト・オブ・コケだと賞賛の嵐でございました。91年にカメラピットに突っ込んだ伊藤みどりの再来とまで言われてました。基本的にうちの家族はノブナリンのことは愛情持って見守ってますが、ときどき愛情の示し方が何か間違ってると思います。

 演技が終わった後は、会場全体でハッピーバースデー合唱。うれしいね。

 そして問題のFS。本当にあの3Aのミスさえなければすべてが予定通りに進んでいたかもしれませんし、それでなくとも、もし2回目の3Aに+2T+2Lo をつけて、3Fを単独にしていたら、基礎点だけで10.39のプラスが見込めたわけで。意味のない「たられば」ですが。

 おそらくカナダ時代に、「ミスしたらどうリカバーするか」という練習はかなり積んでいるんじゃないかと(カナダはそういうお国柄なので)。コンビネーションのレパートリーが広いのもその恩恵だと思うんですよね。ただいかんせん、ルールをきちんと把握していないと、その器用さがアダになってしまうってことですか。

 ただ、そうしたミスはあったとしても、やはりあの4T+3Tは素晴らしかった。 いつぞやの城田お局様の発言を思い出しました。「信成は、たとえ高難度のジャンプでも、降りさえすればすぐに後ろにコンビネーションを付けられる」なるほど。

 総体的には、収穫はありつつも少しほろ苦い結果になった、そう表現するのが適切でしょうか。でも考えようによっては来年へのいい布石ですよ。なにしろ、みどりさまがカメラピットに突っ込んだのが、アルベールビル五輪の前のシーズンの世界選手権。同じプレ五輪で同じミス、あ~らなんだか縁起がよさそうじゃございませんか(笑)

 

小塚崇彦(日本) 222.18(6位)

SP:「Take Five」 FS:「ロミオとジュリエット」

 まずSPの間は大きなミスもなく、お客さんも結構ノリノリで拍手。途中3Fの軸が大きく傾いたものの、根性で着氷。よく降りたなあ。得点を見た瞬間、思わず低い! ともらしてしまったが、去年は70点超えた超えないで喜んでいたことを思えば、これで十分よござんしょ、という気も。

 FSはジャンプがどれもビミョ~に前傾気味で、ちょっとコンディションが狂っていたのかな? と思いながらハラハラして観戦。イーグルからの3Sを3連続コンビネーションにしたのは、本来3連続を跳ぶ予定だった3Lzのところで3Lz-3Tのコンビネーションを跳ぶつもりだったからなのかと思いきや、そのまま3Lz-2Tに。田村氏によると、2回目の3Aをコンビネーションにするために、体力を残す措置をとったのでは、とのこと。

 4回転について、いろいろと自分の中で葛藤はあったと思いますが、それでも自分の決断をまっとうして、それが結果につながったことは、本人としても誇らしく思える出来事だったのではないかと思います。最低限のノルマを達成はしたとはいえ、決してベストな演技ではありませんでしたが、いんです、来年思う存分ハジケれば。

 そういえば、今シーズンは佐藤ファミリーのキス&クライで、なかなか久美子大明神にお目にかかっておりません。あの福々しいお顔を拝見しないと日々が潤いませんので(ホントか)、国別対抗戦ではぜひとも輝かしくご光臨願いたいものです。なーむー

 

サミュエル・コンテスティ(イタリア) 226.97(5位)

SP:「J'envoie valser, Valse des Monstres」 FS:「Once Upon a Time in West/Cotton Eyed Joe」

 たぶんSPのワルツなんかは、キレイ系の選手だったら、もっと哀愁を帯びた演技になっていただろうに、この濃ゆい男が滑ると妙な愛嬌をまとった仕上がりに。スウェーデンのベルントソン氏も吊りズボン・ワルツ・アコーディオンの組み合わせで攻めてきているので、違いを比べると面白いかも。たっぷりとマイムが仕込まれたステップでも、足元はしっかりレベル3をキープしてくるあたり、振り付けを担当する奥様のプロデュースセンスを感じますね。

 聞けばステファン・ランビエールを育てたペーター・グルッターも指導に当たっているそうで、4回転も跳べるらしい。まだ確率はよろしくないようで、今回のFSでは回避。ただそれ以外にも、全体的に今回は大人しげだったというか、欧州選手権に比べるとあんまりハジケてなかったかな。このプログラムは何たって、スピンもステップも全部終わらせた最後に、3回転-3回転と3連続のコンビネーションジャンプが立て続けに飛び出すのが圧巻なわけですよ。それが今回は両方とも不発だったのが、見てるほうとしてもちょっと消化不良かな。コンビネーションのセカンドのトウループが、かなりトウアクセル気味なのもちと気になりますが(別にルール違反じゃないので、回転不足にさえならなければいいんだけどね)。

 それでもイタリアに2枠。来年のバンクーバーはゼレンカと一緒に移籍コンビで出場ですか。それとも若手がせり上がってくるかな? 楽しみだね。

 

トマシュ・ベルネル(チェコ) 231.71(4位)

SP:「黄昏のメロディー/ジプシー・スウィング」 FS:「タンゴ・メドレー」

 たぶん、心の中で考えていたことはそれぞれ違うだろうけども、SPとFSどっちもキス&クライで似たようながっかり顔を浮かべていたのが不思議。だって見てるほうからすれば、ベルネルにしちゃ珍しいくらいの大成功だと思ったのに。きっと「練習ではもっと充実した演技が出来ていた」という不満の表れが、あの表情だったんでしょう。欧州選手権のあと、猛練習を積んできたそうです。SPとFS両方で、非常にきれいに4回転を成功させたことは、立派に成果だと思うのですが。ただSPではその後ノリすぎたのか、つんのめりそうな勢いで突っ走って、まえうしろ間違えてフィニッシュ。少し粗さが目立ったかも。

 FSは後半ジャンプのすっぽ抜けが続いて、本人的には残念そうでしたが、タンゴの持つ情熱や陰の部分だけではない、どこか空っとぼけた軽やかな部分をクローズアップして見せてくれるので、好きなプログラムです。得点的には、パトリックちゃんと約4点差、演技構成点はほぼ同格。本当にジャンプひとつ多くダブったぶんだけが、点差に反映されているわけで、今回この2人はほぼ同格とみなされた、ということだと解釈してもいいでしょう。今シーズンのジャッジの傾向からいえば、パトちゃんと同格ってのはかなりの高評価よ、これ(笑)

 

ブライアン・ジュベール(フランス) 235.97(3位)

SP:「Rise」 FS:「マトリックス・リローデッド/Requiem for a Dream」

 07-08シーズンは全試合通して1度しかスピン・ステップでレベル4を取れなかったことを考えると、今回のSPは今シーズンの成長の跡が凝縮されているなぁ、と思う。あのフザケた振付けで当たり前のよーにレベル3が取れるようになっちゃったら、もはや誰もマネできない(したがらない?)境地ってもんです。GOEは2つのステップで+0.8、+0.9で、当然全選手中トップ。ジャンプさえ決まっていれば自己ベスト更新もありえたかもしれないだけに、4Tのお手つきが残念。

 FSもジャンプが痛かったですね。転倒したところでは2A+3Tをやろうとしていたそうで、それをミスしたこと自体もイタいんですが、そのことに焦ったのか、後に続くスピンが2つともレベルを取れなかったのが更にイタい。せっかくSPで見せた成長の跡が、FSでは発揮されないまま終わってしまいましたね。

 とはいえそれでも、4年連続メダル獲得にこぎつけたことにはもっと誇りを持ってほしいと、表彰台の上のお通夜みたいな姿を見て強く思いました。

 そのために、いい転機になるかはわかりませんが、コーチ変えたらしいっすね。国別対抗戦までは元コーチのローラン・ドプリー氏と組んで、そこから先はまだ未定とのこと。カート・ブラウニングやブライアン・オーサーも候補に上がっているようですが、もしジュベたんとオーサー氏が組んだら、来シーズンからチームジャパンは爆弾男×2とやりあわなきゃいけなくなるわけで。それはちょっとめんどくさそうですねー。でもプログラムはマダム・タラソワに手伝ってもらいたがってるみたいなので、このままヨーロッパにとどまる可能性が高いかな。

 

パトリック・チャン(カナダ) 237.58(2位)

SP:「Tango de los Exilados」 FS:「ラフマニノフ・セレクション」

 SP3位発進。懸念だった最初の3Aを決めた後はぐんと波に乗った印象だったので、これはいけるかな、と思ったものの点が伸びませんでしたね。会場もブーイング。年若い選手はどんなに勢いがあっても、ベテランほど安定して点を伸ばせないものだ、ということを我々観客も念頭において観たほうがいい、のかも。本人が強みと称するスピン・ステップで、上位2人に水をあけられる格好になったのは、ちと痛いかな。

 FSも3Aからのコンビネーションで、トウが横滑りして回転が抜けたことと、3Loが2回転になったこと意外は特にミスなく。特にステップでは唯一のレベル4を獲得してGOEも+1.40を得たことが光ります。ただ、いかにも一世一代の名演技(縁起でもない?)的な風情を醸し出したライサ氏に比べると、パトリックちゃんは本当に良い意味でも悪い意味でも「いつもどおり」の演技だったような気がした。それが今回の点数の差かな? 本人も言ってるとおり、彼は四大陸であまりにも花開きすぎたのかもしれない(笑)

 

エヴァン・ライサチェク(アメリカ) 242.23(1位)

SP:「ボレロ」 FS:「ラプソディー・イン・ブルー」

 中山うりの日記から、こんな一文を発見。

 

   bjorkのライブに行った。

   ブレのない彼女の目からは、殺気さえ感じた。

   言葉にするのはもったいないので、心に秘めておく。(2008年2月28日付)

 

 うまいなあ、と思う。ライサ氏の目から殺気を感じたかはともかく(笑)、優勝によせてのファンの心境を的確に表現してくれている。

 そんなわけで、私も言葉にするのはもったいないので、心に秘めておきます。

 

 ・・・・・・・・・・・・ってわけにはいかないか(汗)。さすがに大会から20日も経って何も言えないようじゃ、そりゃ素人と同じだって(素人だよッ)

 とはいえ、ほんとに何を言っていいかわからないな。SPもFSも、下手なコメントを許さないような完璧な演技でした。これまで彼はとにかく安定感が武器で、そのかわりビッグウェーブにも恵まれにくい、他の選手が会心の演技を見せると埋没するところが最大の欠点(ファンの発言とは思えん)だっただけに、優勝したこと以上に、ここまで他選手を圧倒するパフォーマンスを見せたこと自体にまずビックリ。ホームな状況であればあるだけ燃える、アメリカ人らしい”お祭り野郎気質”がビッグウェーブをしっかり捉えましたね。このままの勢いで、「プレ五輪のジンクス」も吹っ飛ばしてもらいたいです。

 あと個人的な要望ですが、タラソワ×ニコルの”異種格闘技戦”は、ぜひ来シーズンにも取り組んでほしいですね。プログラムの大筋はマダム・タラソワが作って、それにニコルが赤入れ、衣装も地味目にリアレンジして(笑)。 ロシアと北米のエッセンスの混在って、考えてみたらライサの持ち味そのまんまだしね。

 なにはともあれおめでとう。その一言に尽きますね。

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 ・・・・・・といったところで、男子シングルはこの辺で。昨シーズンに続いて、2年連続でGPファイナリスト以外から世界チャンピオンが誕生する結果になりました。

 ・・・・・・もとい、2年連続でGPファイナルのメダリストと世界選手権のメダリストが一人もカブらないという仰天の結果になっちゃいました。

 男子シングルがいかに群雄割拠の様相を呈しているか、そしてシーズン通して高いポテンシャルを維持するのがいかに困難かが如実にわかります。来シーズンは一体どーなっちゃうんですか。

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2009年3月20日 (金)

わたくし的、最近の注目トピックス

 なんとか1ヵ月以上は間が開かないように、だましだましやってこうと思ってます、栗ご飯です。

 CD感想文なんかも考えてましたが、ちょっと準備が出来てないので、ここ最近の注目ニュースの紹介でもして、お茶を濁そうと思います。

 

 

ニュースその①:夏川りみが5月に石垣島で挙式

 当初は籍を入れるだけの予定が、やっぱり式も挙げることにしたそうで、おめでとうございます。

 我が母上は「ぜひ氷川きよしと結婚してほしかった」と謎の希望をのたまいつつ嘆いておりましたが、そのカップリングはどっから思いついたんだと尋ねたところ、「だって、福々しくって思わず拝みたくなっちゃう組み合わせだと思わない?」とのお答えをいただきました。どう反応しろっていうの。

 それはともかく、りみ嬢が嫁さんに来るって、いいですね。めっちゃ磐石そうで。最強の肝っ玉かあさんになれそうです。

 一時期「夏川りみの歌が胎教に良い」なんて話もありましたけど、将来赤ちゃんが出来たとしたら、セルフ胎教できちゃうわけですね。すばらしい自給自足の構図。

 

 

ニュースその②:気がついたらChicago Poodleがメジャーデビューしてた。

 これはほとんどの人が何のこっちゃとお思いになるかと思いますが、そういう名前のバンドがあるです。もう5年近くインディーズで活動していたので、メジャーデビューはあえてしない方針かと思っていたら、しらない内にそろっとデビューしてたみたいです。

 所属がGIZA studioになると聞いた時点で、なんとなくその先の地味すぎる未来が垣間見えた気がしますが、もともとインディーズでもライブ中心にやってたわけですし、地道なプロモーションは得手とみて、くさらず活動していただきたいと思います。なによりフジテレビだって最近は地味にペアとアイスダンスの放送時間が長くなってきてる(気がする)わけですし。今後シカプーにだって棚ボタがやってこないとも限りませんからね。

 

 

ニュースその③:世界選手権の個人的注目どころ

 気付けばもうあと1週間くらいですね。いつもは実施された結果がすべてという受け身のスタンスなので、事前予想などはなるたけやらんとこうと考えているのですが、今回ばかりはシーズン最後の集大成ということで、超個人的観点から見た注目ポイントを。世間様一般とはだいぶずれている恐れがありますが、だいじょうぶ、フィギュアスケートの見方に絶対な正解はありません(←いいこと言ったつもりで)

 とりあえず簡単にですが、気を配っておきたいのは、

 

 男子

 ・ジュベたんとライサがどこまで年長世代の意地を見せられるか

 ・タカヒコが演技構成点をどこまで上げられるか

 ・フランス3枠復帰のために、ポンセロがいかにSP・FSで好演技を揃えるか

 ・スウェーデンがいかに珍妙さ(?)を発揮しつつ、2枠を維持するか・・・やはり絢爛たる面々の中に、「個性的」という言葉では表現しきれない異物が混入してこそのフィギュアスケートであります

 

 女子

 ・村主章枝の「ノーミス」ではなく「パーフェクト」な演技が観たい

 ・真央やんの3A2回、3+3コンビネーションは決まるのか

 ・アジア+北米+コストナー的な空気を、フィンランド勢とサラ・マイアーが壊せるのかどうか

 ・トルコのトゥバ・カラデミルはFSに残れるか(←気に入ったらしい)

 ・シズニーは自爆せずに完走できるのか(←最重要)

 

 ペア

 ・サフチェンコ&ゾルコヴィ、パン&トンでは、6:4くらいでドイツ組有利かなーという感じ。いかにSPをノーミスで乗り切るかが勝敗を分けるのでは。

 ・とは言いつつ、ユニバーシアードから上り調子のジャン&ジャンが後ろから優勝ひっさらってく可能性も捨てきれない(笑)

 ・デュベ&デイヴィソンが「カルメン」の空気をどこまで表現できるか(まだBlower's Daughterの雰囲気を引きずってる感じがするので)

 ・ならず者(トランコフ)が元気になってるか・・・(余計なお世話)

 

 アイスダンス

 ・ペシャラ&ブルザ、ケア姉弟の戦いっぷりはどうか

 ・欠場したデロベル組のかわりにヤル気まんまんのベルビン&アゴストのハジケっぷりはどうか

 ・なにより、うちのブログ史上初めてのアイスダンス感想文が書けるかどうか(それは就○活動のスケジュール次第ですな)

 

 ・・・という感じです。やっぱりシーズンの集大成であり総決算ですから、なかなかたくさんのトピックがありますね。すべて感想文で網羅できるかは未知数ですが・・・・・・なるべく早めに感想文も上げたいと思います。少なくとも、ではまた1ヶ月後に・・・・・・なんてことにはならないつもり(笑)

 これから大会まで1週間。泣いても笑っても1週間です。選手にとっては最後の追い込みになるかと思いますが、誰も直前のケガなどしないよう祈ります。ぐっとらっく。

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2009年2月28日 (土)

片手間に読むとイタイ目に合うのです。

 どうも、ほったらかしております。栗ご飯です。

 じつは今、大学3年生の恐怖のイベント(口にするだに恐ろしい)の真っ只中でして、精神的余裕のなさから更新が滞っております。申し訳ない。

 本日は、そんな状況下から生まれた、ささやかな失敗談をご紹介します。

 

『大島弓子が選んだ大島弓子選集・1』/大島弓子

大島弓子が選んだ大島弓子選集 1 ミモザ館でつかまえて (MFコミックス) Book 大島弓子が選んだ大島弓子選集 1 ミモザ館でつかまえて (MFコミックス)

著者:大島 弓子
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 唐突に始まった世界的不況の中、「今年の学生は苦労するわよぅ」と教師陣からも家族からも脅されて、ひとり孤独感に浸りながら「り○きしょ」だの「えん○りぃしぃと」だの書いていると、当然うっぷんがたまってきて、気分転換にマンガでも読むか・・・となる。ここまではいいのです。

 問題は、なぜそこで選んだのが、よりによって大島弓子なのか。

 大島弓子といえば、なんといってもあのホンワカしたオトメちっくなキャラクターと、それに反比例した哲学的で重厚なストーリー展開が持ち味。「ながら」で読むには最も適さない、きちんと真っ正面から立ち向かわねばならない作家の一人であります。

 果たして今回も、物語の中に放り込まれたまま出口を閉じられたような、宙ぶらりんな感覚をいつまでも引きずるハメになりました。ちなみにこの失敗、大学受験のとき以来2回目だったり。学習してねぇぇーーー

 あう、せめて『グーグーだって猫である』なら、もちっとライトな気分で楽しめたかしらん・・・

 とにかく、大島弓子は心身充実してるときに、床の間の前で正座しながら読みましょう。っていう話。

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2009年2月12日 (木)

四大陸選手権・男子

 swissinfoに出てたアラカワさんとランビエールの対談面白い。特にSPで技術、FSでパフォーマンス・表現力と、それぞれ限定して採点するルールにしたらどうか、というランビ兄さんのアイデアは興味深いです。ただ現行のルールではFSの比重が高いですから、兄さんのアイデアを実行に移す場合は、両方の比重を等しくする必要があるかもしんないっすね。

 この2人の競演についても話が弾んでいます。観たい! 日本にもArt on Ice来てくんないかな。

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四大陸選手権(バンクーバー)

男子

結果

 SP・FS合わせてたったの6組しか放送されませんでした。少ねえ。FSの放送のなかったブランドン・ムロズはやむを得ずカット。しかしイーグルから3A跳んだり、いろいろ技が進化してました。

 

・ジェレミー・アボット(アメリカ) 216.94(5位)

SP:「アダージョ」 FS:「Eight Seasons」

 4Tと3Lzの失敗については、去年までのアボットを思えば、まあ想定の範囲内と言えなくもないけど、スピンやステップまでバランスを崩したのは、ちょっとらしくなかったなぁ。ただSPに限っていえば、失敗をしたことが逆にプログラムそのものの魅力を引き立てることにもなったんじゃないかなーと思うのです。アボットのスケーティングのリズムと「アダージョ」のメロディーが持つリズムって、お互いに似たような振動数(?)を行きつ戻りつしていて、今回はうまいことその2つが同じ波長に揃ったような、そんなかんじ?

・織田信成(日本) 220.26(4位)

SP:「仮面舞踏会」 FS:「ワルシャワ・コンチェルト」

 失敗は多かったし、表現その他の面でも、粗い部分のほうが目立ったかもしれないけれど、個人的にはそこらへんにはあまり意識がいかなかったというか、いまさらながら彼の肩の可動域の広さにびっくり。ショートもフリーもずーーっと肩の動きばっかり見ていたと言っても過言ではない(汗)。表現力とか演技に対する意識とはまた別の部分で、振り付けとして「体が勝手に動く」ことに関しては、やはりトップスケーターというか、日々のメンテナンスをしっかりしていれば、緊張していてもあれだけの動きが出来るんだなと。

・小塚崇彦(日本) 221.76(3位)

SP:「Take Five」 FS:「ロミオとジュリエット」

 まだ演技を自分の目で確かめないうちからNiftyの記事を読んでしまったせいか、「今回タカヒコは調子が悪い」というフィルター付きで見てしまったような気が・・・なので、あんまりくわしくは述べても意味がない・・・・・・かも。ただこの記事のライター青嶋女史が書かれているように、全体の流れがあまりスムーズでなかったのなら、演技構成点を低く抑えられた原因もそこにあるんでしょう。それプラス、今回は珍しいところでスピンのレベルを取りこぼしたりで、点を伸ばしたいところで伸ばせなかった、やっぱり総体的には「らしくない」大会だったのかな。去年に引き続いて小塚のバンビと四大陸は、あまり相性がよろしくないっぽい?

・エヴァン・ライサチェク(アメリカ) 237.15(2位)

SP:「ボレロ」 FS:「ラプソディー・イン・ブルー」

 改めて言うまでもなく、でっかい。身長が。北米の選手はNHLサイズのリンクに慣れていると報道は言ってましたが、60×30の標準リンクでも壁に激突しそうなライサがそんなはずはあるまいと思ってしまった。いったい何食ってりゃそんなに縦長になれるんだよぅ 10cmわけてくれよぅ

 ・・・とそんなわけで、いつも以上に壁にぶつかりそうなライサチェクさん、大会通していいフィーリングを得られたようでなにより。減点されたエレメンツがFSの3Aだけだったし、スピンでも前に比べるとずいぶんGOEが上がってきて、今回は+3をつけたジャッジもいたくらいで。得意のフリップで!マークが付いたことが気になるといえばなるけど。

・パトリック・チャン(カナダ) 249.19(1位)

SP:「Tango de los Exilados」 FS:「ラフマニノフ・セレクション」

 SPで歴代2位、総合でも歴代3位を記録して輝かしいかんじ。全エレメンツ中、加点を受けなかったのがFSで着氷がぐらついた3Loだけというすさまじい勢いで、みごと惨敗したGPファイナルの汚名返上してきました。ステップやスピンなどのレベル取りにも手を抜かない姿勢が最大限の評価を受けたわけですが、ただ採点や評価に関係のない、個人的な好みの話をしてしまえば、演技の中にもう少しアソビを作るというか、「引き」の部分がほしい。絶えずステップを踏み続けて、演技構成点へのアピールを怠らないのは素晴らしいのだけれど、見ている私としてはプログラムの起承転結が判断しづらく、だんだん観ていてダレてきてしまいました。(真央やんのFSのプログラムと似た傾向があるかも。)

 すでに演技構成点への評価は、かなり高い次元で確立されていると思いますので、今後思い切って間引けるところは間引いて、もっとシンプルな振り付けにしてみても、点数はそのままで、より素敵なプログラムになるんじゃないかと思うのですがどうでしょうね。

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2009年2月 8日 (日)

四大陸選手権・女子

 フジテレビ放送分を参考に。「ボレロ」をバックにしたオープニングの映像が、四大陸の出場選手だけで再編集されていて、なかなか芸の細かいところを見せていました。この勢いでぜひ実況陣も再編集されたいところですな。とはいえ、今回全体的に押せ押せな番組構成だったので、あまりポエムの毒のお世話にならずに済みました。

 四大陸選手権(バンクーバー)

 女子シングル

 結果はこちら

・アメリ・ラコステ(カナダ) 148.18(10位)

SP:「Otonal」(未放送) FS:「フラメンコ・セレクション」

 05/06シーズン以来2回めの四大陸。シニア移行後は国際大会にほとんど出ていないので試合経験は足りないようですが、ゆくゆくはロシェット以後にマッスルディーヴァの称号を継ごうという意思はムキムキと、あいやひしひしと感じられました。ジャンプのすっぽ抜けはありつつも、回転不足判定がひとつもないのは、カナダ人らしい基礎の確かさを感じさせて◎ 

・アリッサ・シズニー(アメリカ) 159.81(9位)

SP:「白鳥」(未放送) FS:「Excerpts(『Dr.Zhivago』より)」

 SPの3Fで転倒し、FSも転倒こそなかったものの最初の3Lzでステップアウトして、3Fも両足着氷。これは・・・・・・・・・・・・まごうことなきいつものシズニーですね

 全米のときはSPを1位で折り返したこともあって、リードを守りきれるかと気が気じゃなかったので、どちらかというと今回のほうが冷静に演技を見られた気がします。中盤で2Aの着氷に詰まると、即座に次の3Lzに2Tをプラスしてリカバーするなど、柔軟な対応が出来ていたのはよかったんじゃないかと。今季はアグレッシブなシズニーが前面に出ていてよいです。あとはこのアグレッシブさが、世界選手権で更なる華麗クラッシュとかにつながらなければ。

・鈴木明子(日本) 160.36(8位)

SP:「ラ・カンパネラ」 FS:「黒い瞳」

 表現面での問題はなかったけれど、ジャンプの加点がとれないことで、全体の点も伸び悩んだ感じが。スピンがレベル・GOE共に点を稼げなかったので、その分をジャンプとステップで補いたいところでしたが、加点の大方が減点の穴埋めに回されてしまって、点を伸ばすどころではなかったかな、と。

・レイチェル・フラット(アメリカ) 162.83(7位)

SP:「ティファニーで朝食を」(未放送) FS:「海と風の対話」

 安定感はあるんだけど、完成度の点でいまひとつというか。プロトコルを見ても、ほとんどの試合でGOEの合計がマイナスになって、技術点の総得点が基礎点を下回ってます。特に今回は他の試合に比べると、ジャッジがやたらGOE加点と演技構成点を出し渋る印象を受けたので、そういう状況の場合、このひとはちょっと不利かも。

・村主章枝(日本) 167.74(6位)

SP:「Fanfan」 FS:「Otonal」

 SP、レイバックスピンとコンビスピンが若干トラベリングした以外はミスなく成功。それでもあの3Fがたったの加点0.4かあ・・・。まあ総体的には雰囲気のあるいい演技でしたし、演技構成点もトップクラスで戦えるだけのレベルには戻ってきたと思います。

 FSでは苦手の3Sを加点つきで成功させたことは大きいと思いますが、3Lzのエッジエラーが”!(軽度)”の範囲内であってもマイナスGOEと判定されてしまうほど重度だったこと、なかなか2回目の3Fからのコンビネーションを成功させられないことなど、以前からの問題がここへきて、よかった部分の足を引っ張ってしまったかなあと。後半の2A+2Aのシークエンスからステップまでの一連の流れも、せっかく曲が一番盛り上がる手前の大事なパートなのに、エレメンツがぎゅうぎゅうに詰まっていて、ちょっとバタバタした印象を受けました。

 悪い演技ではない、、、むしろ他の国の選手だとしたら、よくやったと褒めてもいいくらいの演技だとは思うのですが、ほかならぬ村主章枝ですし。やはり土壇場の女としては、世界選手権くらいの崖っぷちでないとやったるでゲージがMAXにならないってことか?

・シンシア・ファヌフ(カナダ) 169.41(5位)

SP:「ノクターン」 FS:「ミッション・クレオパトラ」

 安定感がアップするとともに、恰幅のよさも急激にアップした気がするんですけど。そこは昔のまんまでいいよ。FSでジャンプが若干乱れた以外はほぼノーミスで、スピン・ステップのレベルもしっかり取れていました。ただSPではまだジャンプに不安があるのか、3回転はルッツとトウループという組み合わせ。これがルッツとフリップなりループなりで組めるようになれば、よりグレードアップできるかと。

・キャロライン・ジャン(アメリカ) 171.22(4位)

SP:「ラ・バヤデール」 FS:「アヴェ・マリア」

 あんまりジャンプで加点の取れない選手ですけど、逆に減点も少ない範囲でおさめたことが、他の選手を追い抜いて上位に食い込めた一番の要因でしょうね。3F+3Tの回転不足と、ルッツのエッジエラー以外は、わずかなマイナスGOEを受けただけで、あとは得意のスピンとスパイラルで一気に加点を増やしていく・・・という、ある意味すごく効率のいい戦い方。スケーティングもシーズン前半に比べると、ステップなどで質が上がっていることを実感できますし、自分の表現したいことが的確に表せているかなと思います。このあと世界ジュニアが待ってますが、ご存知のとおりジュニアのFSは30秒短い3分30秒。これから手直しに入ると思いますが・・・間に合うんかいな??

・浅田真央(日本) 176.52(3位)

SP:「月の光」 FS:「仮面舞踏会」

 SPで大失敗したときは絶対にFSで1位になるという法則が出来上がりつつある昨今の横綱マオですが、今回もご多聞に漏れず・・・とはいえ膝の負傷の報道がなされていたとおり、だいぶ不調気味な試合展開ではありましたね。ほぼ根性だけでゴールまでって感じで。でも、事前に3Aは1回、3+3はナシ、と一応安全策をとっていましたが、予定のところで3Aが決まらないと、すかさず次のジャンプを3Aに替えたり、やっぱりこの人の本分は「攻め」なんだなぁと感じた次第。

 SPの衣装はぜったい前のヤツのほうがいいとおもうぞーーーーっっ!!

 

・ジョアニー・ロシェット(カナダ) 183.91(2位)

SP:「Summertime」 FS:「アランフエス協奏曲」

 カナダ出身でキャリアも長いとなれば、当然ホームもアウェーもいやってほど経験しているわけであって、そんなことから今回、誰よりも「自分の思い通りの試合展開」をしたのはこの人じゃないかな。胆力の強さはヨナさん以上じゃないですかね。今後はさらに、技術面でもなにか、ロシェットといえばこれ! といえるような、筋肉以外のトレードマークがほしいところ。

・ヨナ・キム(韓国) 189.07(1位)

SP:「死の舞踏」 FS:「シェヘラザード」

 やはり今回の一番の目玉といえば、SPでの世界記録更新でしょうか。時間の短いSPなのに、まるでFSを見ているかのような密度の高い演技。テレビの向こうにいるこちらも思わずゾクゾクしてしまいました。一方でFSでは少し失速気味。ロシェットと浅田真央に水をあけられる結果になりました。ループはともかく、ルッツまで回転不足になったのは、ループの転倒で流れが途切れてから、まだ十分にスピードに乗る前に跳んでしまったからかなーーと。いずれにせよ今季まだ、スケートアメリカの(つまり初見の)インパクトを超えるFSにお目にかかれていないのが残念。

 

 現在の北米とアジアでは、今回のトップスリーが混戦状態ですが、そこにコストナーが加わってくると想定して、今年の世界選手権はどうなりますか。ただ、6位の村主章枝ですらも、ヨーロッパ選手権1位のラウラ・レピストより高いスコアをマークしているわけですから、なかなか欧州勢が割り込むのも楽ではなさそうです。

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